トラブルは避けたい! 意識すべき改葬(お墓の引越し)のマナー
故人の遺骨を取り出し、新しいお墓へ埋葬するための一連の流れを「改葬(お墓の引越し)」と言います。改葬は、墓地、埋葬等に関する法律に定められたルールに従って手続きするのはもちろんのこと、親族や新旧の墓地管理者との意思疎通を図りながら準備を進めることが大切です。ここでは、改葬の際に気を付けたいマナーを下記3つに分けて紹介します。
遠方に住む子供たちの負担を軽減したい、高齢となりお墓までの移動が難しいといった理由から、改葬を検討する人が年々増える傾向にあると言われています。改葬には、墓地管理者との話し合いや新しい墓地の確保など多くの手続きを要しますが、親族や墓地管理者、ご住職に対しても失礼のないよう、基本的なマナーを守り接していきましょう。
改葬元へのマナー
いざお墓の改葬をしようとするときには、これまでお世話になっていた墓地管理者(寺院境内墓地であれば住職)の許可なしに、進めることはできません。承諾を得られないまま勝手に改葬を進めてしまうと、墓地管理者との関係性を悪化させてしまう恐れがあります。もちろん、墓地管理者に改葬を拒否する権利はありませんが、市区町村へ提出する必要がある「埋葬証明書」をなかなか作成してもらえない等のトラブルに発展する可能性があります。安易に進めてしまうと、恩を仇で返すような印象を与え兼ねませんので、できるだけ早く墓地管理者に面会し、これまでの感謝の気持ちを込めて改葬の意向を伝えるようにしましょう。親族へのマナー
改葬は、お墓の承継者だけで決めるのではなく、親族も交えて話し合い、しっかりと合意を得ておくことが大切です。新しい墓地を決定する際も同様に、皆が納得できる地域を選び、お墓参り等に支障を来さないよう配慮します。一度埋葬した遺骨を取り出すのは縁起が悪いと考える方がいらっしゃる場合は、ご先祖様を供養する上で最良の選択であることを理解してもらう他ありません。また、改葬先で執り行う開眼法要(納骨)の日時が決まったら、当日参加する予定の親族へ案内状を送付するのがマナーです。ご住職へのお布施のマナー
改葬では、改葬元での墓じまいの前に営む「閉眼法要(脱魂式などとも)」と改葬先での納骨の際に営む「開眼法要(建碑式、慶讃法要などとも)」、二つの法要を執り行います。閉眼法要が、ご先祖様の魂をお墓から抜く儀式であるのに対し、開眼法要は、ご先祖様の魂を新しいお墓に迎え入れる儀式であり、いずれも、お寺のご住職へ依頼しお経を読んでもらう(経読)のが一般的です。ご住職には、法要に来ていただき経読していただいたお礼としてお布施をお渡しします。お布施の相場は、お付き合いの期間や関係性、宗派などによって考え方が異なりますが、1万円~5万円が目安と言われています。また、法要後に行う会食に住職が参加できない場合は、御膳代として別途お渡しします。なお、交通費が発生する場合は、お布施とは別にお車代を準備しておきましょう。遠方に住む子供たちの負担を軽減したい、高齢となりお墓までの移動が難しいといった理由から、改葬を検討する人が年々増える傾向にあると言われています。改葬には、墓地管理者との話し合いや新しい墓地の確保など多くの手続きを要しますが、親族や墓地管理者、ご住職に対しても失礼のないよう、基本的なマナーを守り接していきましょう。
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