お彼岸ってどんな日? お彼岸には何をするの?
お彼岸ってどんな日?
3月の春彼岸、9月の秋彼岸。それぞれ春分の日、秋分の日を中日とした前後3日間、計7日間ずつが期間とされていますが、調べてみると、お墓参りすなわち先祖供養以外にもすべきことがありそうです。
早速ご紹介したいと思います。
法律上の定義
お彼岸の中日である春分の日、秋分の日は国民の祝日です。昭和23年に公布された「国民の祝日に関する法律」の第2条に、各祝日の主旨が定められています。
それによれば、春分の日(春分日)は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」祝日、秋分の日(秋分日)は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」祝日なのだそうです。
古来、日本人にとって自然や動植物というのは支配すべき対象ではなく、ともに生き、時に生かされるような存在です。お彼岸にはご先祖のみならず、自然や動植物に対しても感謝と敬意、慈しみのこころをもって接するようにしたいものです。
「六波羅蜜」の実践
「波羅蜜」は般若心経に出てくる「波羅蜜多」と同じ意味で、サンスクリット語の「パーラミター」を音写した語です。日本では「至彼岸」と訳され、大乗仏教における悟りの境地、すなわち彼岸へと至ることを表します。「六波羅蜜」は、この世に居ながらにして彼岸に至るための6つの修行のことです。
布施(ふせ)波羅蜜:見返りを求めず、他人のために惜しみなく善行を施すこと
持戒(じかい)波羅蜜:戒律を守り、身を慎み、他人に迷惑をかけないこと
忍辱(にんにく)波羅蜜:身に起こる災いを受け容れ、耐えしのぶこと
精進(しょうじん)波羅蜜:誠心誠意努力を続けること
禅定(ぜんじょう)波羅蜜:常に静かな心を持ち、動揺しないこと
智慧(ちえ)波羅蜜:怒りや愚痴、貪りに捉われず、物事の真理を正しく見極めること
普段なかなか出来ない「六波羅蜜」の修行。
確かにこれを実践できれば、こころ豊かな日常を過ごすことが出来そうですね。
お彼岸とは、ご先祖に感謝を捧げるだけでなく、この世に生きる私たちがこの六波羅蜜を実践すべき期間でもあるのです。
お彼岸には何をするの?
前述したように、端的に言えば「先祖供養」と「六波羅蜜」の実践ということになりますが、具体的にはどんなことをすれば良いのでしょうか?仏壇仏具の手入れ・掃除
ご自宅にお仏壇がある方は、いつもより念入りにお掃除をしてみてはいかがでしょうか。こころも清められ、六波羅蜜の実践にも繋がることでしょう。
お墓参り
お彼岸といえばやはりお墓参りですね。ただ、お盆同様お彼岸にお墓参りをする方が多いため、規模の大きい霊園などは混雑することもしばしばです。霊園のスタッフに混雑する日や時間帯を確認しておき、お墓参りのピークを避けると気持ち良く先祖供養ができるでしょう。お供え物について
お彼岸のお供え物といえば、春彼岸のぼた餅、秋彼岸のおはぎが有名です。それぞれ春の花である牡丹(ぼたん)、秋の花である萩にちなんだものです。
一般的にぼた餅はこし餡、おはぎはつぶ餡で作ります。
秋に収穫される小豆は、春になると皮が固くなって食べづらいので、春のぼた餅にはこし餡を使うのだとか。
その他、落雁(らくがん)などのお菓子を供えることも多いですね。何より大切なのはご先祖に喜んでもらうことですから、生前好きだったものをお供えするのも良いでしょう。
お供えののし紙と表書きについて
また、親戚や知人など別世帯にお彼岸のお供えを持っていく際にはのし紙をつけます。西日本では黄白、東日本では黒白の水引き(結び切り)を用いることが多いようです。
表書きは「御供」または「御仏前」が良いでしょう。水引きの下にご自身の名前をフルネームで書きます。
最後に
いかがだったでしょうか。
ご先祖に感謝するとともに、自分自身を見つめ直すためにも「お彼岸」が大変有意義な期間であることが分かります。次のお彼岸には、皆様もぜひ、六波羅蜜の修行に励んでみてください。
なお、お彼岸の日程やお彼岸の意味については別のトピックにてご紹介しています。
併せてご覧ください。
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