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生前贈与で相続税対策をする方法



死後、ご家族に財産を譲る場合には「相続税」が発生します。相続税をできるだけ減らすため「生前贈与」という方法があります。もっとも、生前贈与の際にも、財産の金額に応じた「贈与税」が課税されますが、贈与税は方法次第で課税金額を節約できる可能性があります。今回は生前贈与を正しく活用して、相続税対策をする方法についてご紹介します。
 
 

生前贈与と贈与税の仕組み

 生前に自分が所有する財産の贈与を行うことが、生前贈与です。その際には所定の「贈与税」がかかります。受贈者(財産を贈与される人)は贈与された財産の価額を整理し確定申告をして、必要であれば贈与税を納めます。
 
贈与税の課税方式には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があります。
「暦年課税」は1年間に贈与された財産に対して課税される方式ですが、1年間の贈与額合計が110万円以下であれば贈与税が発生しません。つまり、全財産をまとめて贈与するのではなく、110万円以下の財産を複数年に渡って贈与することで相続税対策となるというわけです。
「相続時精算課税」を選んだ場合は、2,500万円までの財産贈与に対して非課税となります。相続税対策を目的とする場合、財産によっては「暦年課税」を選択すると、長い年数が必要となりますが、「相続時精算課税」を選択するとすぐに大きな財産を贈与できる利点があります。ただし一度「相続時精算課税」を選択すると「暦年課税」には戻せませんので、相続開始のタイミングを考慮したうえで検討するようにしましょう。
 
 

生前贈与が注目される背景

 生前贈与の節税効果が注目されるようになったのは、2015年に実施された税制改正により、相続税および贈与税の仕組みが大幅に改変されたのがきっかけです。この税制改正の主な目的は、資産全体の6割以上を保有する高齢世代に対し、適正な時期に若い世代への資産移転を促し、経済の活性化を図ることでした。
 
生前贈与の対象者の拡大
生前贈与を受けられる対象者の範囲を子から(20歳以上の)孫へ拡大、また、贈与する側も65歳以上から60歳以上にまで年齢を引き下げ、生前贈与の条件が緩和されたことで対象者が増え、生前贈与への関心が高まりました。
 
贈与税の税率改正と特例控除
遺産の高額取得者に高い税率を負担させることを目的に税率の区分が増え、贈与財産が多いほど課税率が高くなるよう変更が加わりました。一方で、贈与時に特定の条件を満たす場合は特例控除を受けることができます。
 
・特例控除の例1「直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例」
(20歳以上の)子が直系尊属(父母や祖父母)から贈与を受けた場合の税率の一部が引き下げられる。
 
・特例控除の例2「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」
平成31年3月31日までの間に30歳未満の受贈者が、教育資金目的の贈与を受けるときの非課税制度(1,500万円限度)。申請には、銀行等での教育資金口座の開設が必要。
 
 

生前贈与の注意点

 生前贈与をするときには、以下のようなことに注意しましょう。
 
贈る側・受け取る側が合意をする
受贈者が「生前贈与」を認識していなければ、生前贈与が成立したことにはなりません。贈与者が一方的に財産を譲るのではなく、受贈者の意思を確認した上で「贈与契約書」を作成しましょう。
 
一年ごとに契約を取り交わす
生前贈与は、法律上、契約書類を作成しなくても成立するため、贈与者と受贈者の間で行われる話し合いにより贈与を行うことができます。ただし、書類を交わしていないと税務調査において「贈与と認められない」などのトラブルに発展する恐れがあります。特に、暦年課税方式を選択している場合は、毎年その約束が守られるよう一年ごとに契約書を交わすようにしましょう。また、預貯金の贈与では、その事実を記録した「通帳」を残しておくことが大切です。
 
余裕をもって贈与を進める
生前贈与を検討する際は早い段階から準備をするようにしましょう。あらかじめ生前贈与を進めていても「相続」が発生した時点から遡って3年以内の贈与は、「相続財産」と見なされてしまうため、相続税の課税対象になってしまいます。
 
贈与税の申告をする
控除額以上の贈与が行われた場合、受贈者は税務署に確定申告を行い、贈与税を納める必要があります。なお、贈与税を贈与者が支払ってしまうと、納めた税金が「贈与」とみなされ、さらに贈与税が掛かってしまう可能性があるので、「贈与税は受贈者が支払う」ということを覚えておきましょう。
 
 
計画的に生前贈与を行うことで、相続税対策となる可能性があります。上記を参考に計画的に準備を進めましょう。

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