今すぐわかる【永代供養】。視点を変えて整理してみました。

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「永代供養」が分かりづらい理由

試しに、インターネットで「永代供養」を検索してみてください。

ずらずらっと「永代供養」関連のサイトが並びますが、中を見てみるとその定義は結構バラバラなのがお分かりいただけると思います。

例えば「薬局」と言ったらどこに行っても「薬を売っているお店」に決まっています。 もちろん薬以外の商品を扱っているお店もありますが、「薬局」を名乗っているのに電化製品しか扱っていなかったり、野菜と果物しか置いていなかったりということはありません。

しかし、「永代供養」はそうではありません。 前述の例ほどではないにせよ、同じ「永代供養」の看板を掲げているのに、中に入ってみると全く異なるものを扱っているということが多々あるのです。

公式YouTubeチャンネルでも「永代供養」について解説中。

「永代供養」本来の定義

そもそも「永代供養」とは、何らかの理由で供養ができなくなったご家族やご親族に代わって、お寺や霊園がご遺骨の供養を永代にわたって継続してくれるというシステムのことを指します。こうしたシステムとしての「永代供養」と、代が途絶えたり所定の使用期間を終えたりした時点で「永代供養」に切り替わる、いわば「永代供養付きの埋葬・納骨方法(お墓、納骨堂、樹木葬など)」とが混同されることで、「永代供養」という言葉が混乱を生んでいるのです。

「永代供養(付きの埋葬・納骨方法)」を分類してみました。

分類のポイントは2つ。

  1. ご遺骨が合祀されるのか、個別(おひとり、またはご夫婦、ご家族だけで)納骨されるのか
  2. (合祀される場合)いつ合祀される(永代供養に切り替わる)のか

以上を念頭に置き、各タイプのご説明をしたいと思います。

A)永代合祀墓(合葬墓)

代々墓や納骨堂などを経由せず、最初から合祀するためのお墓にご遺骨を納めます。関西で有名な一心寺の骨仏(ご遺骨を集めて作られた仏像)も、この合祀墓の一種です。
料金が手ごろで、手間もかからず、永代にわたって法要をしてもらえるのが何よりのメリットです。ただし、ご遺骨は見知らぬ方々のご遺骨と混ざってしまうため、抵抗を感じる方もいらっしゃるようです。

なお、永代合祀墓(合葬墓)で永代供養してもらうことを「永代供養」と呼ぶことも多く、「永代供養=合祀(合葬)」というイメージが広まっていることも「永代供養」がわかりづらい要因のひとつと言えるでしょう。

B-1)一般のお墓/納骨堂(永代供養付き)

お墓を建てる際に気になるのが、承継する人がいなくなった時のこと。以前は代が途絶えること自体少なかったため、無縁になったお墓を救済するための仕組みを持たない霊園がほとんどでした。
最近は園内に永代合祀墓を備える霊園が増え、代が途絶えたらご遺骨をそちらに移してもらえる(合祀)ところもあります。それまでは当然個別で納骨できますし、合祀後は他の方のご遺骨とともに合同法要もしてもらえるので、放ったらかしにはならず安心です。
代が途絶えるまでは毎年管理料を支払う必要があります。また、無縁になった場合の合祀にかかる費用を負担しなければならないところもありますので事前に確認しておきましょう。

B-2)期限付きのお墓/樹木葬/納骨堂

B-1とは異なり、あらかじめ決められた年数を経過すると自動的にご遺骨は合祀墓に移されますが、それまではおひとり、ご夫婦、あるいはご家族だけの個別納骨です。代が途絶えることが決まっている、あるいは子供にお墓を継承させたくないという方に向いています。
多くの場合独り身の方や、ご夫婦だけで購入されるため、「個人墓」「夫婦墓」の名称で販売している霊園もあります。
使用する年数が決まっているため、管理料は初回に一括で支払うのが一般的です。
最近流行の「樹木葬(じゅもくそう)」にもこの形が多いですね。

C)永代供養墓/樹木葬

代が途絶えても、お墓とご遺骨がそのまま存続するお墓です。先にご紹介したものと決定的に違うのは、代が途絶えようが年数が経過しようがおひとり、ご夫婦、あるいはご家族だけの個別納骨を継続してもらえる点で、合祀に抵抗のある方の間で人気が高まりつつあります。大抵の場合管理料は初回の一括払いです。
代が途絶えることを前提としたお墓ですので、納骨できる人数が限られていたり、子孫がいても承継できないなどの制限が設けられていることもあります。
お参りする方がいなくなっても定期的に合同法要をしてもらえますが、33回忌まで、など供養をしてもらえる期間が定められていることもあります。
また、「樹木葬」にこのシステムを採用している霊園もあります。

最後に

いかがだったでしょうか。
ひと口に「永代供養」と言っても、お墓や納骨堂、樹木葬など納骨の手段は色々です。
従って、手段から考えるのではなく「ご遺骨が合祀されるのか、個別に納骨されるのか」「(合祀される場合は)いつ合祀されるのか」を基準に考えると、自ずとご自分に合った「永代供養」が見えてくると思います。

こちらの動画でも「永代供養」をご説明していますのでぜひ参考にしてみてください。

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