第1回 川柳コンクール 結果発表

たくさんのご投稿ありがとうございました。

初開催となった川柳コンクールでしたが、のべ3190名の方からご応募いただきました。作品にして、なんと7617句!今回のテーマである「お盆」「お墓参り」にふさわしく、いずれも愛とユーモアあふれるものばかりでしたが、その中から選ばれた優秀作品を発表いたします。

[最終選考および寸評]
一般社団法人 全日本川柳協会 副理事長・事務局長 本田 智彦先生

最優秀賞

愛知県あま市
ペンネーム:となりの山田さん

いないけど まだいるような ひとだった

[ 寸 評 ]
詩全体がひらがなで詠まれている。
川柳は口語体だからそんなに固い漢字は必要ありません。
句の内容としては、もう居ないけどまだ生きているようなインパクトの
強い人だったと作者に強力な印象が残っている。

優秀賞①

北海道旭川市
ペンネーム:まっちゃん

シャイな父 奇抜な墓で 自己主張

[ 寸 評 ]
シャイとは内気で恥ずかしがりの性格だが、
その内気を立派な墓でどうだと自己主張している。
墓は生存者が建てるのだが遺言で墓代にと残したのだろう。

優秀賞②

横浜市磯子区
ペンネーム:メルシー僕

新盆で 遺産バトルは ちと休止

[ 寸 評 ]
遺産分けでよく親子兄弟姉妹でもめることがある。即ち財産争いだ。
死者が遺言を残していると問題はないが、
せめて盆とか法事のときはもめ事は止めようという家族の絆、思いやりの作品。

佳作①

東京都葛飾区
ペンネーム:マッチ坊

本音では 独り行きたい 妻の墓

[ 寸 評 ]
亡き妻のお墓の前、
他人に知ってもらいたくない言葉を墓前で本音で言う。

佳作②

埼玉県所沢市
ペンネーム:こまっちょ

ちょっとだけ いい人になる 墓参り

[ 寸 評 ]
上五の「ちょっとだけ」が意味深だ。
先祖を拝む仏心になる。その瞬間、真人間になる。それでいいのです。

佳作③

大阪府豊中市
ペンネーム:大阪のアン

戒名に かなふり孫と 墓参り

[ 寸 評 ]
死者に僧侶がつける名前の戒名、宗派によって異なるが漢字が多い。
お孫さんにはふりがなをつけて解釈する。わかったのかな、孫思いのよい人だ。

佳作④

宮崎県宮崎市
ペンネーム:にじのいろ

玄関に 靴があふれる 盆の入り

[ 寸 評 ]
お盆にはファミリーが集まる。
特に初盆は死者を巡って想いが強い。多くの人が実家に集まる。

佳作⑤

東京都大田区
ペンネーム:イッキ

千の風 そうだとしても 墓参り

[ 寸 評 ]
「千の風になって」の歌の詩の中に「そこに私はいません」の一節がある。
とはいうものの魂だけは存在すると作者は思う。

賞品は7 月下旬をめどに発送させていただきます。
				皆様受賞おめでとうございました!!